ドイツに住んでいたころは、春の訪れをとても感じていたように思います。まず、シュネーグロッケンが土の中から顔を出します。白い小さな花。ドイツ語を直訳すると’雪-鈴’、日本語では’待雪草’だそうです。
ある日突然、近くの殺風景な公園が、紫やオレンジの絨毯が敷きつめられたようになります。クロッカスの花が咲いたのです。
庭のいたるところに、すずらん、水仙、ムスカリが咲き、チューリップやヒヤシンスの茎がにょきにょきと上がってきます。みんな本当にどこに隠れてたの?また今年も咲いてくれるの!と嬉しくなってしまいます。
そしてもう少しあたたかくなると、庭にある桜の木が満開になって、そろそろガーデンテーブルでも出そうかと思うのです。
昨年夏に、ドイツに所有していた家を手放しました。新しい持ち主の方が同じように、どこからともなく出てくる花々を喜んでくれることを願います。